雷と土

いかずち いかづち 【▽雷】

〔「厳(いか)つ霊(ち)」の意。「つ」は助詞〕
(1)かみなり。なるかみ。[季]夏。
「鼓の音は―の声と聞くまで/万葉 199」
(2)魔物。
「上に八色(やくさ)の―あり/日本書紀(神代上訓)」

つち 2 【土/▽地】
(1)地球の陸地の表面をおおう物質。風化した岩石の細かいくず、生物の遺骸およびその腐敗物、微生物などよりなる。土壌。
「―を耕す」「肥えた―」
(2)地球の表面。地上。大地。地面。古くは天(あめ)に対して地上界をさす。
⇔天(あめ)
「故郷の―を踏む」「天へ行かば汝がまにまに―ならば大君います/万葉 800」
(3)鳥の子紙の一種。泥土を混ぜたあまり品質のよくないもの。
(4)値打ちのないもの、顔形の劣ったもののたとえ。
「よしとみしかど、それは―なりけり/狭衣 1」
(5)地下(じげ)のこと。
「六位といへど、蔵人とにだにあらず、―の帯刀(たちはき)の/落窪 1」
(6)あかぬけしていないこと。また、いなか者。
「―のくせにせりふつけて/洒落本・風流裸人形」
(7)(「犯土」「椎」「槌」とも書く)陰陽道(おんようどう)で、土公神(どくじん)のいる方角の土木工事を忌むこと。また、その期間。期間は暦の庚午(かのえうま)から丙子(ひのえね)に至る七日間を大土(おおつち)、戊寅(つちのえとら)から甲申(きのえさる)に至る七日間を小土(こつち)、中間の丁丑(ひのとうし)の日を間日として、一五日間続く。つちび。
「―犯すべきをここにわたせとなむ言ふを/堤中納言(はいずみ)」
(8)書名(別項参照)。
――一升(いつしよう)金(かね)一升
土地値が大変高いことのたとえ。
――が付・く
相撲で、負ける。
――とな・る
死ぬ。土になる。
「異国の―・る」
――を踏・む
その場所にたどり着く。
「故郷の―・む」


三省堂提供「大辞林 第二版」より

ではではIt is - again!